2018-12-14から1日間の記事一覧
BLではないオリジナル小説です。題名から各作品にリンクしてます。各小説の簡単な内容紹介はこちらでどうぞ。 カテゴリーでは下から古い順に並んでいます。挿絵と冒頭文章が確認できます。そちらからでも各作品にリンクしています。どちらからでもどうぞ。 ★…
白砂が裸足の指の間から溢れる。 ひと足踏むごとに、サクサクと鳴る砂が心地いい。 振り返れば、浜辺の小屋が小さく見える。海岸線に沿って、随分遠くまで歩いてきたらしい。 少年は砂を両手に掬った。粒がキラキラと光りながら、風に乗って散らばる。この辺…
1・かの日の怪物 久方ぶりの自宅への帰り道のことだった。 出久は膝に抱えていたリュックを担ぐと、電車を降りた。 黄昏の空に烏の鳴き声が遠く響く。家々のシルエットを、夕焼けが橙色に縁取っている。落陽は出久のすぐ前を歩く、幼馴染の小麦色の髪も、紅…
1・かの日の怪物 久方ぶりの自宅への帰り道のことだった。 出久は膝に抱えていたリュックを担ぐと、電車を降りた。 黄昏の空に烏の鳴き声が遠く響く。家々のシルエットを、夕焼けが橙色に縁取っている。落陽は出久のすぐ前を歩く、幼馴染の小麦色の髪も、紅…
勝己は車の後部座席のドアを開け、抱えていたズシリと重い人形を座席に積んだ。 グズグズしちゃいられない。急がなければ。運転席に移動してエンジンをかける。 雪の結晶がちらほらと目の前を舞った。 クソが、もう追いついて来やがった。 廃ビルの窓を破壊…