碧天飛天の小説サイト

飛天の小説置き場です。本業絵描きですが萌えを吐き出したく作りました。二次創作からオリジナルまで色々予定してます。無断転載を禁じます。よろしくお願いいたします。母艦サイトはBLUE HUMAN http://d.hatena.ne.jp/hiten_alice/ です。

SS ヒロアカ

胡蝶の通い路・後編(R18版)

後篇 4 勝己は扉のノブに手をかけてはたと止まった。 密やかな声に耳を澄ます。出久の声だ。 眠っている自分にこっそり語りかけている。くしゃくしゃだとかトゲトゲだとか。聞いたことのないような優しい口調で。部屋に入れば何かを壊してしまいそうだ。掌…

胡蝶の通い路・前篇(共通版)

前編 序章 破裂音と閃光。 掌を発火させた勝己の身体が宙に浮き、出久の眼の前を跳んでいく。 爆音が木々を縫って遠く木霊する。「待ってよ、かっちゃん」 出久は息を切らせて勝己に続いて跳躍した。 山道を登るほどに急斜面になる。駆けるより跳ぶ方が早い…

続・優しい時間(R18)

繁華街からひとつ角を曲がると街は影を纏うようだ。 喧騒から遠ざかり曲がりくねった狭い坂道を登った。街灯が疎らになり、別の世界であるかのように闇が濃くなる。 魔物が潜んでいるようだ、と思う。後ろをついてくる戸惑う足取り。勝己は振り返り、足音の…

ダイバーダウン(全年齢バージョン)

prologue 「すごいなあ、かっちゃん」 そう無邪気に話しかけてくる柔らかく高い声。 振り向くと俺の後ろを小柄な子供が後を付いて来ているのが見える。よたよたした転びそうな足取り。少しスピードを落して歩みを合わせてやる。 ここはよく遊んだ裏山の森だ…

ダイバーダウン(R18)

prologue 「すごいなあ、かっちゃん」 そう無邪気に話しかけてくる柔らかく高い声。 振り向くと俺の後ろを小柄な子供が後を付いて来ているのが見える。よたよたした転びそうな足取り。少しスピードを落して歩みを合わせてやる。 ここはよく遊んだ裏山の森だ…

手繰る言の葉(全年齢バージョン)

キスをしている。 目を瞑ると、人肌の柔い温もりがふわりと唇を撫でる。少しかさついた唇が形をなぞるように這い、押し付けられた。ちゅっと音を立てて温もりが離れ、また押し付けられる。粘膜が触れ合い、またちゅっちゅっと音がする。上唇を食まれ下唇を弄…

優しい時間(全年齢バージョン)

落ちる。 青葉の茂る木の枝が足元から離れていく。 眼前に青い空が見えた。 木漏れ日を背にして勝己の姿が逆光になっている。焦燥した表情を顔に浮かべているようだ。出久の腕を捕まえようとこちらに手を伸ばしている。だが子供の手では届かない。 こんな高…

手繰る言の葉(R18)

キスをしている。 目を瞑ると、人肌の柔い温もりがふわりと唇を撫でる。少しかさついた唇が形をなぞるように這い、押し付けられた。ちゅっと音を立てて温もりが離れ、また押し付けられる。粘膜が触れ合い、またちゅっちゅっと音がする。上唇を食まれ下唇を弄…

掌の太陽(R18)

序 母親に怒号を背にして、勝己は家を飛び出した。 心の中で悪態をつく。 うぜえ、ほんっとにうぜえ。飯食う時の姿勢が悪いから始まって、口が悪い態度が悪いとハハオヤはくだらないことでガミガミ叱りやがるし、オヤジはいつもオロオロしてるだけで最終的に…

オリオンの驕り(掌の太陽より)

母親に怒号を背にして、勝己は家を飛び出した。 心の中で悪態をつく。 うぜえ、ほんっとにうぜえ。飯食う時の姿勢が悪いから始まって、口が悪い態度が悪いとハハオヤはくだらないことでガミガミ叱りやがるし、オヤジはいつもオロオロしてるだけで最終的には…

幼年期の終わり(優しい時間より)

有頂天だった。誰よりもいい個性が発現したのだ。 力をひけらかしたくてしょうがなかった。それに水を差すのはいつも出久だ。また遊んでやってた奴を庇って俺を非難しやがる。「やめなよ。かっちゃん」「どけよデク。そいつがヴィラン役だろうが」「遊んでる…

優しい時間(R18)

落ちる。 青葉の茂る木の枝が足元から離れていく。 眼前に青い空が見えた。 木漏れ日を背にして勝己の姿が逆光になっている。焦燥した表情を顔に浮かべているようだ。出久の腕を捕まえようとこちらに手を伸ばしている。だが子供の手では届かない。 こんな高…