碧天飛天の小説サイト

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胡蝶の通い路・後編(R18版)

後篇 4 勝己は扉のノブに手をかけてはたと止まった。 密やかな声に耳を澄ます。出久の声だ。 眠っている自分にこっそり語りかけている。くしゃくしゃだとかトゲトゲだとか。聞いたことのないような優しい口調で。部屋に入れば何かを壊してしまいそうだ。掌…

胡蝶の通い路・前篇(共通版)

前編 序章 破裂音と閃光。 掌を発火させた勝己の身体が宙に浮き、出久の眼の前を跳んでいく。 爆音が木々を縫って遠く木霊する。「待ってよ、かっちゃん」 出久は息を切らせて勝己に続いて跳躍した。 山道を登るほどに急斜面になる。駆けるより跳ぶ方が早い…

インフォメーション2018年5月~

最新情報です。下に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFOや自作創作小説カテゴリー に内容紹介文を詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→BLUE HUMAN 2018/05/07 勝デク小説「続・優しい時間」をUPしました。 2018/06/15 勝デク小説「胡蝶の通い…

続・優しい時間(R18)

繁華街からひとつ角を曲がると街は影を纏うようだ。 喧騒から遠ざかり曲がりくねった狭い坂道を登った。街灯が疎らになり、別の世界であるかのように闇が濃くなる。 魔物が潜んでいるようだ、と思う。後ろをついてくる戸惑う足取り。勝己は振り返り、足音の…

ダイバーダウン(全年齢バージョン)

prologue 「すごいなあ、かっちゃん」 そう無邪気に話しかけてくる柔らかく高い声。 振り向くと俺の後ろを小柄な子供が後を付いて来ているのが見える。よたよたした転びそうな足取り。少しスピードを落して歩みを合わせてやる。 ここはよく遊んだ裏山の森だ…

ダイバーダウン(R18)

prologue 「すごいなあ、かっちゃん」 そう無邪気に話しかけてくる柔らかく高い声。 振り向くと俺の後ろを小柄な子供が後を付いて来ているのが見える。よたよたした転びそうな足取り。少しスピードを落して歩みを合わせてやる。 ここはよく遊んだ裏山の森だ…

手繰る言の葉(全年齢バージョン)

キスをしている。 目を瞑ると、人肌の柔い温もりがふわりと唇を撫でる。少しかさついた唇が形をなぞるように這い、押し付けられた。ちゅっと音を立てて温もりが離れ、また押し付けられる。粘膜が触れ合い、またちゅっちゅっと音がする。上唇を食まれ下唇を弄…

優しい時間(全年齢バージョン)

落ちる。 青葉の茂る木の枝が足元から離れていく。 眼前に青い空が見えた。 木漏れ日を背にして勝己の姿が逆光になっている。焦燥した表情を顔に浮かべているようだ。出久の腕を捕まえようとこちらに手を伸ばしている。だが子供の手では届かない。 こんな高…

手繰る言の葉(R18)

キスをしている。 目を瞑ると、人肌の柔い温もりがふわりと唇を撫でる。少しかさついた唇が形をなぞるように這い、押し付けられた。ちゅっと音を立てて温もりが離れ、また押し付けられる。粘膜が触れ合い、またちゅっちゅっと音がする。上唇を食まれ下唇を弄…

掌の太陽(R18)

序 母親に怒号を背にして、勝己は家を飛び出した。 心の中で悪態をつく。 うぜえ、ほんっとにうぜえ。飯食う時の姿勢が悪いから始まって、口が悪い態度が悪いとハハオヤはくだらないことでガミガミ叱りやがるし、オヤジはいつもオロオロしてるだけで最終的に…

インフォメーション2017年4月~

最新情報です。下に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFOや自作創作小説カテゴリー に内容紹介文を詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→Blue Human 2017/04/14 勝デク小説「オリオンの驕り」をUPしました。 2017/04/24 勝デク小説「掌の太陽」…

オリオンの驕り(掌の太陽より)

母親に怒号を背にして、勝己は家を飛び出した。 心の中で悪態をつく。 うぜえ、ほんっとにうぜえ。飯食う時の姿勢が悪いから始まって、口が悪い態度が悪いとハハオヤはくだらないことでガミガミ叱りやがるし、オヤジはいつもオロオロしてるだけで最終的には…

about

当サイトは碧天飛天のイラストサイト「BLUE HUMAN」の分家の小説用サイトです。版権物のパロディ小説とオリジナル小説を展示しています。 同人・BL・女性向表現を含みますので、嫌悪感を持たれる方は閲覧をどうかご遠慮下さい。18禁コンテンツも多数存在しま…

インフォメーション2016年12月

最新情報です。上に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFOや自作創作小説カテゴリーに内容紹介分を詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→Blue Human 2016/12/1 ヒロアカ小説「優しい時間」と「幼年期の終わり」をUPしました。「幼年期の終わり」…

幼年期の終わり(優しい時間より)

有頂天だった。誰よりもいい個性が発現したのだ。 力をひけらかしたくてしょうがなかった。それに水を差すのはいつも出久だ。また遊んでやってた奴を庇って俺を非難しやがる。「やめなよ。かっちゃん」「どけよデク。そいつがヴィラン役だろうが」「遊んでる…

優しい時間(R18)

落ちる。 青葉の茂る木の枝が足元から離れていく。 眼前に青い空が見えた。 木漏れ日を背にして勝己の姿が逆光になっている。焦燥した表情を顔に浮かべているようだ。出久の腕を捕まえようとこちらに手を伸ばしている。だが子供の手では届かない。 こんな高…

醒めて見る夢(R18)

葉山がゆさっと腰を揺らした。反動で暫く口内で動かなかった陰茎が口内に侵入してくる。亀頭を咥えて舌先で舐めていたが、それだけでは足りないのか。律動するように奥に進められ、うっと喉の奥で声が漏れる。涙が眦に溜まる。 放課後の多目的教室で比企谷は…

蜃気楼の灯火(全年齢バージョン)

俺はお前に期待しない。そんな人間がひとりくらいいた方がいいだろう? 比企谷はそう言った。君を嫌いだと言った俺の言葉に俺もお前が嫌いだと返してくれたように。 俺は誰も選ばない。君以外は。言外の意味に気づかない君ではないだろう。皆には優等生を続…

唆しの月(全年齢バージョン)

「二人揃うなんて面白いね」 陽乃はにっこり笑って言う。「偶然ですよ」 負けずに葉山も微笑んで言う。「全くだ。なんでたまに外に出たらよりによってこいつに会うんだか」 比企谷は不機嫌を隠さずぶつくさと呟く。「偶然会っちゃうなんて縁があるんじゃない…

金星の光(全年齢バージョン)

左右に押さえつけた比企谷の腕を一纏めにする。片手で容易く押さえつけられるなんて、日頃の運動が足りないだろう。空いている方の片手でシャツのボタンを外してゆく。唇を合わせ比企谷の口を開けさせて舌を差し入れる。舌を探り当て絡ませ口内を貪る。深い…

星月夜に光ぞ降りて(R18)

見上げれば今にも降り注ぎそうな満天の星空。瞬く数多の星々は目映く輝き、空が日光を覆い隠す天蓋であるかのような錯覚を起こしそうになる。「空の星は天に空いた穴から漏れる光だと、昔の人は思っていたらしいね、比企谷」「天動説か」「そうなると、彗星…

インフォメーション2016年3月~6月

最新情報です。下に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFO に詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→Blue Human 2016/3/17 ガンダムAGE小説「イゼルカント・レポート」用挿絵をUPしました。 2016/3/18 俺ガイル小説「星月夜に光ぞ降りて」UPしまし…

輪廻の剣(R18)

root:Fate 眼前に揺らめく巨人の影。バーサーカーを前にもう力は残っていない。 この期に及んで最期に頭をよぎるのは衛宮士郎の顔とはな。 ああ、わかっていたことだ。世の中の誰をも等しい俺にとってあれだけが唯一なのだと。 狂おしいほど想うのが過去の…

桜花残月(R18)

大学1年生 初秋 ドアベルの音に起こされた。 俯せに寝ていた比企谷は目覚まし時計を確認する。まだ8時じゃねえか。誰だ日曜日のこんな時間に。寝ぼけ眼でドアを開けるとそこには卒業以来久しぶりに見る珍しい顔が微笑んで立っていた。見慣れた人好きのする表…

深淵と観察者(R18)

「動いていいな」 薄い暗がりの中で聞こえた声に比企谷はひゅうっと喉を鳴らす。比企谷の身体を貫いている葉山の性器はさらに奥に入ろうとじりじりと動く。覆いかぶさる葉山の腕に爪を立て、裸の背中にも爪を滑らせる。腰を捩っても深く突き入れられたものは…

インデックス(二次創作)

インデックス(二次創作) 題名から各作品にリンクしてます。各小説の簡単な内容紹介はこちらでどうぞ。 カテゴリーでも各作品にリンクしています。下から古い順に並んでいます。挿絵と冒頭文章が確認できます。そちらからでもどうぞ。 R18の作品と全年齢の…

蜃気楼の灯火(R18)

俺はお前に期待しない。そんな人間がひとりくらいいた方がいいだろう? 比企谷はそう言った。君を嫌いだと言った俺の言葉に俺もお前が嫌いだと返してくれたように。 俺は誰も選ばない。君以外は。言外の意味に気づかない君ではないだろう。皆には優等生を続…

唆しの月(R18)

「二人揃うなんて面白いね」 陽乃はにっこり笑って言う。「偶然ですよ」 負けずに葉山も微笑んで言う。「全くだ。なんでたまに外に出たらよりによってこいつに会うんだか」 比企谷は不機嫌を隠さずぶつくさと呟く。「偶然会っちゃうなんて縁があるんじゃない…

金星の光(R18)

左右に押さえつけた比企谷の腕を一纏めにする。片手で容易く押さえつけられるなんて、日頃の運動が足りないだろう。空いている方の片手でシャツのボタンを外してゆく。唇を合わせ比企谷の口を開けさせて舌を差し入れる。舌を探り当て絡ませ口内を貪る。深い…

習作 臨也編(R18)

「君は俺のことが嫌いだろう?」そう言いながら臨也は笑う。臨也の部屋で帝人は机の上に仰向けに押し倒され両腕を拘束されている。唖然としているうちに下着ごとズボンを脱がされる。性器が空気に晒されてひやりとする。臨也を見上げると三日月のような笑み…