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イカロスの牢(R18) 神様ドォルズ

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匡平。お前が俺を見て俺を呼んで俺を選んだんだ。何一つ持たず 偽りばかりの世界は俺の敵だった。苛立つものいつか壊してやると。そんな俺の前にお前は現れた。雲が切れて光が射した気がした。俺が選ばれるはずだとそうなれば嬉しいとお前は言った。何かわからない物に選ばれるよりその時俺はお前が欲しくてそのために選ばれたいと願った。二人で過ごす日々は楽しかった。初めて生まれて良かったとそう思えた。お前は坊ちゃんでお人好しで傲慢で愛しい。挑発すると張り合って俺の思い通りに動くから。馬鹿だなと思うけどお前も望んでたんだろう。世間知らずの甘ちゃんでもだからこそ窮屈で鬱屈してただろう。

身を絡ませ合う少年達。水音と荒い息遣いが睦み合いを示す。マットレスに押し倒した裸の匡平の身体を覆い被さる阿幾の手が這い回り愛撫する。深く口付けて蹂躙していた舌は首筋をなぞり吸い付いて痕を残す。窄まりに深く埋め込まれ蠕いている指が増やされ匡平は呻く。
「いい声だすじゃねえか匡平」
「うるさい」
匡平を見て阿幾は笑い指を揃え抽送させる。指が引き抜かれ剥き出しの阿幾の股が押し付けられそれが勃起しているのに匡平は気づく。
「お前も嫌ってわけじゃないんだろ?よがってるもんな」
「せめてゴムつけろよ」
「やなこった」
「ふざけんなよ。お前この前も」
阿幾は匡平を見下ろし睨みつける。匡平が気迫に息を呑むとくっと笑う。
「生だとお前を穢してる感じがすんだよなあ」
阿幾は匡平の脚を開いて性器を窄まりに擦り付けると先端を押し付けねじ込む。
「お前、い」
衝撃にずり上がる匡平の腰を押さえつけ、腰をぐっと押し付け捻じ込んでゆく。根元まで貫き肌が触れ合う。
「お前は俺を放っておけないんじゃない。気になってしょうがないんだろう」
「誰がお前なんか」
「おい、暴れんなよ。外れたじゃねえか」
仰向けにされる匡平。阿幾はのしかかると脚を開かせ正常位でまた入れる。律動するたび阿幾は中を抉り突き上げる。再び匡平の身体は阿幾に繋げられてゆく。後孔で阿幾のものを扱かされ中に印を刻みつけられる。

事件で俺はクラミツハとお前を取り上げられた。混じり気のない傲慢さはお前の力。俺はそれに魅せられた。でもお前はそれを忘れようとして。何よりお前は俺から離れて俺をお前の中で他の奴らと同じところまで落とそうとした。それが許せない。クラミツハが俺の手に戻ればお前も戻るはずだと。傷を舐めあう同類に逃げようと縋られ断る。女は同じだ。利用しようとするか愛してと要求するか。全く俺が匡平に抱く欲と同じで嫌になる。牙を抜かれ生きられるのかと。でもお前を諦めれば楽になるかと迷う。同類に死なれた。その死に様が自分の末路のように思い、何もかも嫌になり死んでもいいかと諦めようとした。でもお前を諦め切れない。まだ死ねない。惹かれて止まない光を。お前と過ごした日々を。俺がまた刃を手にすればお前を取り戻せる。お前だけが俺を生かすんだ。諦めかけた俺を引きずって救い化け物を破壊したように。お前といれば自由だ。お前もそのはずだろ匡平。

学校の靴箱前で阿幾は匡平の前に立ちはだかる。
「俺を避けてるよなあ。匡平。今更なんのつもりだ?」
「俺は受け入れたつもりはない」
「はっ。さんざんやってんだろ」
「だからだ。受け入れたわけでもないのに」
「番いのようにしてると思っていたら次にはころっと態度を変えやがる。なんだよお前は。ふざけんなよなあ」
阿幾は匡平の腕を引き家に引っ張り引きずりこむ。部屋で阿幾は匡平に背後から覆い被さり尻を剥き出しにすると勃起したそれをあてがい無理矢理挿入しかける。先端が入り口を拡げ入りかけ匡平は痛みに目が眩みそうになる。匡平は絶え絶えに押さえつける阿幾に言う。
「部屋にローションがある」
「最初からそうしてろよ」
と吐き捨てるように言い、阿幾は匡平を連れて部屋を移動する。ローションを見つけベッドに匡平と共に倒れこみ服を脱ぎ名前を呼びながら匡平の服を肌蹴る。後孔にローションを塗り込めかき混ぜるように荒々しく指を蠢かすと引き抜き阿幾は一気にその身体を貫く。匡平は後背位からがくがくと揺さぶられ責められる。

俺は座敷牢へ入れられた。世話係の他は匡平だけが来る。俺を止めた匡平はククリを手離したという。匡平は何もなくなった俺に拘るのをやめろという。何を言ってるんだ。俺がお前に固執するのはお前のせいだろ。前にも増してお前の存在だけが灯火のように眩しいんだ。たまにしか来なくてもむかつくことしか言わず俺もなじることしかできなくても短い逢瀬を待ち望んだ。だが匡平が村を出たと聞かされる。俺を置いてか。もう逢えないのか。お前は俺のだろう。出会った時からそうだろう。違うというなら何故出会ったんだ。取り上げるつもりなら何故匡平を俺に会わせたんだ。匡平の名を呼び絶叫する。

幼い頃を回想する。阿幾と匡平は一緒に風呂に入っていた。阿幾に「ここに気持ちがいいところがあるんだぜ。教えてやる」と匡平は後孔を解され悶えさせられ壁に手をつかされ初めて入れられた。阿幾のまだ幼いペニスに知らされたばかりのいいところを擦られ自分も勃起した。突きながら抱きしめられ俺のものだと何度も囁く阿幾の熱に浮かされたような声。

初めての時も奥を熱い迸りに濡らされた。抜かれても身体の中に阿幾を皮膚と粘膜の感触を感じるのがお前のいう穢すということなのだろうか。
「好き放題突っ込みやがって」
「お前するか?できんのか?」
「それは」
「させねえよ。お前はしたいわけじゃねえもんな。嫌がらねえけど求めねえもんな」
座位に体勢を変えられ接合部の角度が変えられ体重でさらに匡平の奥深く阿幾のものがめり込む。喘ぐ身体を阿幾に深く抱きしめられ繰り返し名を呼ばれる。
「匡平、匡平、お前が俺と同じように俺を思えばいいんだ」
「俺はお前を抱いた時嬉しかったんだぜ。たったひとつの欲しいものをやっと手に入れたってな」
阿幾は腰を突き上げながら続ける。
「だけどお前は感じてるくせに溺れてるくせに逃げたがるよな」
律動が激しくなり匡平は阿幾にしがみつく。
「抵抗しやがる。そういうとこがむかつくんだよ」
「お前逃げたりしねえよな。なあ、匡平」

お前は俺を支配したいのか。阿幾。
俺はこいつに流される。俺は流されたくないんだ。

誰かが鍵を開けたのか。誰だっていい匡平の元へ行くだけだ。
匡平とぶつけ合う。思いを身体を。匡平はいつも避けていた視線を俺とまっすぐに交わす。座敷牢に戻れとでも俺と共にあると。もう俺から逃げないと。心が鎮まり憤りが収まる。周囲への怒りとかそんなものより俺の望んでいたのは匡平だった。幼い頃のようにいつも側にいてお前の特別でありたいと。儘ならない事を許さない傲慢さは強さだ。儘ならないことが当たり前で弱いものに当たる狡い俺には眩しくて焦がれてやまない。焼かれて堕ちるとしても求めるんだ。諦めしかなかった俺に温もり喜びと渇望と苦しみと悲しみをお前だけが。お前によって世界は色鮮やかで容易く色を失う。。

死なず座敷牢という名目で匡平の屋敷に軟禁生活の阿幾。匡平は村に戻り阿幾と共にいるという約束を守る。その日も軟禁部屋を訪れた匡平が去ろうとすると阿幾が引き止める。
「なあ、やろうぜ」
「何を」
「わかってんだろ」
「家に人がいるだろ」
「知ったことかよ」
阿幾強く引っ張り倒れた匡平の身体に馬乗りになる。屈み込み顔を寄せると匡平が横を向く。耳元で囁く。
「俺のせいにすればいいだろ」
「お前のせいだろ」
「ああ、そうだ。でも俺のせいにはできないだろ、匡平。」
「阿幾」
「きっと俺はただじゃ済まないぜ。俺は構わねえよ。でもお前はいい子だもんな。俺をそんな目にあわせたくねえだろ」
匡平は正面に向き直ると阿幾を見上げる。
「早く済ませろよ」
阿幾はにやりと笑うと「そりゃお前次第だな。協力してくれなくちゃな」
匡平の顎を掴むと阿幾は匡平にキスをし深くあわせて舌で味わうように口内を貪る。
「じゃあ手始めに咥えてもらおうか」
阿幾はベッドに腰掛け脚の間に匡平を座らせ前を寛げる。阿幾の怒張したものを見て口を開けたものの躊躇する匡平に焦れて阿幾は匡平の頭を掴み口に突っ込む。先端が匡平の温かい口内に包まれ舌の柔らかい感触に阿幾はたまらなくなる。
「上手にやれよ」
匡平は観念したように咥えたものを舐める。
「お前が俺のをしゃぶってるなんてな。クルもんがあるよな」
匡平は阿幾を睨みつけるがかえって阿幾の嗜虐心を煽る。阿幾は笑うと匡平の後頭部をぐっと引き寄せ深く咥えさせる。
「真面目にやれよなあ」
驚きえずきそうになる匡平に阿幾は言う。

「夢を見るんだ」
阿幾は組み敷いた匡平の身体をゆっくりと穿ちながら言う。
「なんの」
匡平が見上げる。繋がれたところが融けそうに熱い。匡平の首筋から胸を指で辿る。胸に手を当て鼓動を感じる。
「長い夢さ。お前は村を出て行き俺は置いてかれる。俺はお前を追いかけて追いかけて。お前の声が聞こえて俺は振り返り。そこでいつも目が覚める」
覆い被さり腰を揺らし抜き挿しする。膝裏を持って脚を曲げさせ深く挿入してゆく。押し広げてゆく確かな感触。匡平が小さく声を上げる。

「夢だったのかもしれないね」

墜落し地に降り立ち今まで側にいた匡平を探す。
俺の名を呼ぶ幼い匡平の声が聞こえ振り返る。

END