後篇 4 勝己は扉のノブに手をかけてはたと止まった。 密やかな声に耳を澄ます。出久の声だ。 眠っている自分にこっそり語りかけている。くしゃくしゃだとかトゲトゲだとか。聞いたことのないような優しい口調で。部屋に入れば何かを壊してしまいそうだ。掌…
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