碧天飛天の小説サイト

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2018-01-01から1年間の記事一覧

インデックス(オリジナル)

BLではないオリジナル小説です。題名から各作品にリンクしてます。各小説の簡単な内容紹介はこちらでどうぞ。 カテゴリーでは下から古い順に並んでいます。挿絵と冒頭文章が確認できます。そちらからでも各作品にリンクしています。どちらからでもどうぞ。 ★…

かたなしなるもの

白砂が裸足の指の間から溢れる。 ひと足踏むごとに、サクサクと鳴る砂が心地いい。 振り返れば、浜辺の小屋が小さく見える。海岸線に沿って、随分遠くまで歩いてきたらしい。 少年は砂を両手に掬った。粒がキラキラと光りながら、風に乗って散らばる。この辺…

たったひとつの冴えたやりかた(全年齢版)

1・かの日の怪物 久方ぶりの自宅への帰り道のことだった。 出久は膝に抱えていたリュックを担ぐと、電車を降りた。 黄昏の空に烏の鳴き声が遠く響く。家々のシルエットを、夕焼けが橙色に縁取っている。落陽は出久のすぐ前を歩く、幼馴染の小麦色の髪も、紅…

たったひとつの冴えたやりかた(R18版)

1・かの日の怪物 久方ぶりの自宅への帰り道のことだった。 出久は膝に抱えていたリュックを担ぐと、電車を降りた。 黄昏の空に烏の鳴き声が遠く響く。家々のシルエットを、夕焼けが橙色に縁取っている。落陽は出久のすぐ前を歩く、幼馴染の小麦色の髪も、紅…

習作・人形遊戯(R18)

勝己は車の後部座席のドアを開け、抱えていたズシリと重い人形を座席に積んだ。 グズグズしちゃいられない。急がなければ。運転席に移動してエンジンをかける。 雪の結晶がちらほらと目の前を舞った。 クソが、もう追いついて来やがった。 廃ビルの窓を破壊…

パラサイト・フェスタ(全年齢版)

序章 「かっちゃん、あれ何だろ」 幼い頃、ふたりで林の中に遊びに行った時だ。後ろを歩いていた出久が言った。 ふらふら余所見をしているから、ついてくるのが遅れて、待ってよかっちゃん、と追いかけてくるのが常だった。この日は2人だけだから、歩くペー…

パラサイト・フェスタ(R18版)

序章 「かっちゃん、あれ何だろ」 幼い頃、ふたりで林の中に遊びに行った時だ。後ろを歩いていた出久が言った。 ふらふら余所見をしているから、ついてくるのが遅れて、待ってよかっちゃん、と追いかけてくるのが常だった。この日は2人だけだから、歩くペー…

胡蝶の通い路・後編(全年齢版)

後篇 4 勝己は扉のノブに手をかけてはたと止まった。 密やかな声に耳を澄ます。出久の声だ。 眠っている自分にこっそり語りかけている。くしゃくしゃだとかトゲトゲだとか。聞いたことのないような優しい口調で。部屋に入れば何かを壊してしまいそうだ。掌…

胡蝶の通い路・後編(R18版)

後篇 4 勝己は扉のノブに手をかけてはたと止まった。 密やかな声に耳を澄ます。出久の声だ。 眠っている自分にこっそり語りかけている。くしゃくしゃだとかトゲトゲだとか。聞いたことのないような優しい口調で。部屋に入れば何かを壊してしまいそうだ。掌…

胡蝶の通い路・前篇(共通版)

前編 序章 破裂音と閃光。 掌を発火させた勝己の身体が宙に浮き、出久の眼の前を跳んでいく。 爆音が木々を縫って遠く木霊する。「待ってよ、かっちゃん」 出久は息を切らせて勝己に続いて跳躍した。 山道を登るほどに急斜面になる。駆けるより跳ぶ方が早い…

インフォメーション2018年5月~

最新情報です。下に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFOや自作創作小説カテゴリー に内容紹介文を詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→BLUE HUMAN 2018/05/07 勝デク小説「続・優しい時間」をUPしました。 2018/06/15 勝デク小説「胡蝶の通い…

続・優しい時間(R18)

繁華街からひとつ角を曲がると街は影を纏うようだ。 喧騒から遠ざかり曲がりくねった狭い坂道を登った。街灯が疎らになり、別の世界であるかのように闇が濃くなる。 魔物が潜んでいるようだ、と思う。後ろをついてくる戸惑う足取り。勝己は振り返り、足音の…