碧天飛天の小説サイト

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物の怪の家

叔父が「樹病」に罹患し、入院したと、下の兄から連絡があった。 上の兄も飛行機の便をとって、今日中に駆けつけるという。乾は急いで一泊分の着替えを旅行鞄にまとめ、伴侶に連絡をして、特急電車に乗った。 同じ県内にある実家とはいえ、複数の市を跨いで…

白い庭白い猫

縁側に出て、白い玉砂利が敷き詰められた庭を見渡した。 大きくて旧い日本家屋だ。元は寺社奉行の屋敷だったという。今は鬼灯や椿などの庭木が植えられているが、元はこの庭は白州だったのだろう。 玉砂利に罪人が縛られて座し、広い縁側には奉行が座り、裁…

魔法の言葉(全年齢版)

prologue Dreams あれは出久だ 中学生の時の冴えない出久だ おどおどして卑屈で、なのに反抗的で身の程知らずな幼馴染 手を伸ばして、細い腕をつかむ。出久は振り返る。目を見開き驚きの表情を浮かべて。 デク、デク。 俺は声をかける。俺は何を言うつもりだ…

魔法の言葉(R18版)

prologue Dreams あれは出久だ 中学生の時の冴えない出久だ おどおどして卑屈で、なのに反抗的で身の程知らずな幼馴染 手を伸ばして、細い腕をつかむ。出久は振り返る。目を見開き驚きの表情を浮かべて。 デク、デク。 俺は声をかける。俺は何を言うつもりだ…

デート(全年齢版)

爆殺王:おい、クソデクには付き合ってる奴はいねえんだな 切島:今んとこあいつに彼女いるとかいう話は聞いたことねえよ 爆殺王:は!だろうよ! 切島:で、お前はどうなんだよ 爆殺王:ああ?クソデクにいねえのに、んな浮ついたことしてられっかよ 切島:それっ…

デート(R18版)

爆殺王:おい、クソデクには付き合ってる奴はいねえんだな 切島:今んとこあいつに彼女いるとかいう話は聞いたことねえよ 爆殺王:は!だろうよ! 切島:で、お前はどうなんだよ 爆殺王:ああ?クソデクにいねえのに、んな浮ついたことしてられっかよ 切島:それっ…

インフォメーション2019年3月~

最新情報です。下に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFOや自作創作小説カテゴリー に内容紹介文を詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→BLUE HUMANhttps://hiten-alice.hatenadiary.jp/ 2019/03/23 勝デク小説「清書森の竜騎士と勇者の卵【十傑…

清書森の竜騎士と勇者の卵【十傑パロ】(全年齢用)

序章 光り射す林の中を少年は駆ける。 胸を高鳴らせ、息を弾ませて。 彼はもう来てるだろうか。 少年は期待に胸を膨らませる。 木陰を抜けた先に見えるのは高原。空の青と地の緑に二分割され、鮮やかに目映く開ける。広がる草原は一面に腰の高さほどの草に覆…

清書森の竜騎士と勇者の卵【十傑パロ】(R18版)

序章 光り射す林の中を少年は駆ける。 胸を高鳴らせ、息を弾ませて。 彼はもう来てるだろうか。 少年は期待に胸を膨らませる。 木陰を抜けた先に見えるのは高原。空の青と地の緑に二分割され、鮮やかに目映く開ける。広がる草原は一面に腰の高さほどの草に覆…

橙色の思い出(「たったひとつの冴えたやりかた」から)

「疲れたよ、かっちゃん」 ふうふうと息を弾ませて、僕は前を歩くかっちゃんに呼びかける。 裏山を流れる川の上流に遡って、随分と歩いてきた気がする。 鶺鴒だろうか。川面をついっと滑るように飛んでいる。 セキレイ。イザナミとイザナギが、尾を振るの見…

インデックス(オリジナル)

BLではないオリジナル小説です。題名から各作品にリンクしてます。各小説の簡単な内容紹介はこちらでどうぞ。 カテゴリーでは下から古い順に並んでいます。挿絵と冒頭文章が確認できます。そちらからでも各作品にリンクしています。どちらからでもどうぞ。 ★…

かたなしなるもの

白砂が裸足の指の間から溢れる。 ひと足踏むごとに、サクサクと鳴る砂が心地いい。 振り返れば、浜辺の小屋が小さく見える。海岸線に沿って、随分遠くまで歩いてきたらしい。 少年は砂を両手に掬った。粒がキラキラと光りながら、風に乗って散らばる。この辺…

たったひとつの冴えたやりかた(全年齢版)

1・かの日の怪物 久方ぶりの自宅への帰り道のことだった。 出久は膝に抱えていたリュックを担ぐと、電車を降りた。 黄昏の空に烏の鳴き声が遠く響く。家々のシルエットを、夕焼けが橙色に縁取っている。落陽は出久のすぐ前を歩く、幼馴染の小麦色の髪も、紅…

たったひとつの冴えたやりかた(R18版)

1・かの日の怪物 久方ぶりの自宅への帰り道のことだった。 出久は膝に抱えていたリュックを担ぐと、電車を降りた。 黄昏の空に烏の鳴き声が遠く響く。家々のシルエットを、夕焼けが橙色に縁取っている。落陽は出久のすぐ前を歩く、幼馴染の小麦色の髪も、紅…

習作・人形遊戯(R18)

勝己は車の後部座席のドアを開け、抱えていたズシリと重い人形を座席に積んだ。 グズグズしちゃいられない。急がなければ。運転席に移動してエンジンをかける。 雪の結晶がちらほらと目の前を舞った。 クソが、もう追いついて来やがった。 廃ビルの窓を破壊…

パラサイト・フェスタ(全年齢版)

序章 「かっちゃん、あれ何だろ」 幼い頃、ふたりで林の中に遊びに行った時だ。後ろを歩いていた出久が言った。 ふらふら余所見をしているから、ついてくるのが遅れて、待ってよかっちゃん、と追いかけてくるのが常だった。この日は2人だけだから、歩くペー…

パラサイト・フェスタ(R18版)

序章 「かっちゃん、あれ何だろ」 幼い頃、ふたりで林の中に遊びに行った時だ。後ろを歩いていた出久が言った。 ふらふら余所見をしているから、ついてくるのが遅れて、待ってよかっちゃん、と追いかけてくるのが常だった。この日は2人だけだから、歩くペー…

胡蝶の通い路・後編(全年齢版)

後篇 4 勝己は扉のノブに手をかけてはたと止まった。 密やかな声に耳を澄ます。出久の声だ。 眠っている自分にこっそり語りかけている。くしゃくしゃだとかトゲトゲだとか。聞いたことのないような優しい口調で。部屋に入れば何かを壊してしまいそうだ。掌…

胡蝶の通い路・後編(R18版)

後篇 4 勝己は扉のノブに手をかけてはたと止まった。 密やかな声に耳を澄ます。出久の声だ。 眠っている自分にこっそり語りかけている。くしゃくしゃだとかトゲトゲだとか。聞いたことのないような優しい口調で。部屋に入れば何かを壊してしまいそうだ。掌…

胡蝶の通い路・前篇(共通版)

前編 序章 破裂音と閃光。 掌を発火させた勝己の身体が宙に浮き、出久の眼の前を跳んでいく。 爆音が木々を縫って遠く木霊する。「待ってよ、かっちゃん」 出久は息を切らせて勝己に続いて跳躍した。 山道を登るほどに急斜面になる。駆けるより跳ぶ方が早い…

インフォメーション2018年5月~

最新情報です。下に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFOや自作創作小説カテゴリー に内容紹介文を詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→BLUE HUMAN 2018/05/07 勝デク小説「続・優しい時間」をUPしました。 2018/06/15 勝デク小説「胡蝶の通い…

続・優しい時間(R18)

繁華街からひとつ角を曲がると街は影を纏うようだ。 喧騒から遠ざかり曲がりくねった狭い坂道を登った。街灯が疎らになり、別の世界であるかのように闇が濃くなる。 魔物が潜んでいるようだ、と思う。後ろをついてくる戸惑う足取り。勝己は振り返り、足音の…

ダイバーダウン(全年齢バージョン)

prologue 「すごいなあ、かっちゃん」 そう無邪気に話しかけてくる柔らかく高い声。 振り向くと俺の後ろを小柄な子供が後を付いて来ているのが見える。よたよたした転びそうな足取り。少しスピードを落して歩みを合わせてやる。 ここはよく遊んだ裏山の森だ…

ダイバーダウン(R18)

prologue 「すごいなあ、かっちゃん」 そう無邪気に話しかけてくる柔らかく高い声。 振り向くと俺の後ろを小柄な子供が後を付いて来ているのが見える。よたよたした転びそうな足取り。少しスピードを落して歩みを合わせてやる。 ここはよく遊んだ裏山の森だ…

手繰る言の葉(全年齢バージョン)

キスをしている。 目を瞑ると、人肌の柔い温もりがふわりと唇を撫でる。少しかさついた唇が形をなぞるように這い、押し付けられた。ちゅっと音を立てて温もりが離れ、また押し付けられる。粘膜が触れ合い、またちゅっちゅっと音がする。上唇を食まれ下唇を弄…

優しい時間(全年齢バージョン)

落ちる。 青葉の茂る木の枝が足元から離れていく。 眼前に青い空が見えた。 木漏れ日を背にして勝己の姿が逆光になっている。焦燥した表情を顔に浮かべているようだ。出久の腕を捕まえようとこちらに手を伸ばしている。だが子供の手では届かない。 こんな高…

手繰る言の葉(R18)

キスをしている。 目を瞑ると、人肌の柔い温もりがふわりと唇を撫でる。少しかさついた唇が形をなぞるように這い、押し付けられた。ちゅっと音を立てて温もりが離れ、また押し付けられる。粘膜が触れ合い、またちゅっちゅっと音がする。上唇を食まれ下唇を弄…

掌の太陽(R18)

序 母親に怒号を背にして、勝己は家を飛び出した。 心の中で悪態をつく。 うぜえ、ほんっとにうぜえ。飯食う時の姿勢が悪いから始まって、口が悪い態度が悪いとハハオヤはくだらないことでガミガミ叱りやがるし、オヤジはいつもオロオロしてるだけで最終的に…

インフォメーション2017年4月~

最新情報です。下に行くほど新しいニュースです。母艦サイトのINFOや自作創作小説カテゴリー に内容紹介文を詳しく載せてます。母艦サイトへのリンク→Blue Human 2017/04/14 勝デク小説「オリオンの驕り」をUPしました。 2017/04/24 勝デク小説「掌の太陽」…

オリオンの驕り(掌の太陽より)

母親に怒号を背にして、勝己は家を飛び出した。 心の中で悪態をつく。 うぜえ、ほんっとにうぜえ。飯食う時の姿勢が悪いから始まって、口が悪い態度が悪いとハハオヤはくだらないことでガミガミ叱りやがるし、オヤジはいつもオロオロしてるだけで最終的には…